ハビタ・ランドスケープ

ハビタ・ランドスケープ

我々の祖先は、どのようにランドスケープ(風景)を棲みこなしてきたのか。国内37箇所の風土を巡る物語。

著者 滝澤 恭平
ジャンル 書籍 > 趣味・実用
出版年月日 2019/07/01
ISBN 9784863241305
判型・ページ数 四六判・344ページ
在庫 在庫あり
1,980円(税込)
旅の持つさまざまな魅力を読者に伝えてくれる優れた書籍を選出する「旅の良書2020」(主催:日本旅行作家協会)に選ばれました。




まちづくりの探究者が人の棲む風景を味読すると、風土の実相が鮮やかに見えてきた。――東工大名誉教授 中村良夫(景観学者)


我々の祖先は、どのようにランドスケープ(風景)を棲みこなしてきたのか。地域を歩き、そこに棲む人々のルーツを探る旅に出た、国内37箇所の風土を巡る物語。


日常にある風景の断片に潜む、思いもよらぬ物語と出会う瞬間がある。人が棲むために土地と関わり、自然と人為の相互作用の中で生まれてきた風景のなかで、我々はどのようにその地域を棲みこなしてきたのだろうか。本書は日本37箇所の地域を歩き、様々な場所の声を感じながら、生物の生息環境である「ハビタット」(habitat) と、人間が生息するランドスケープ(landscape)を紡ぎだす物語である。

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●滝澤恭平(たきざわ・きょうへい)
ランドスケープ・プランナー/編集者 株式会社水辺総研取締役、ハビタ代表、「ミズベリング・プロジェクト」ディレクター。1975年生まれ。大阪大学人間科学部卒業、角川書店に編集者として勤務。2007年工学院大学建築学科卒業、ランドスケープデザイン事務所・愛植物設計事務所にランドスケープデザイナーとして勤務後独立。2014年東京工業大学大学院社会理工学研究科修士課程修了、東北の海岸復旧事業の合意形成を研究。以降、九州大学大学院工学府都市環境システム専攻博士課程にて都市河川再生とグリーンインフラの研究を行う。2014年より国土交通省の河川利活用プロジェクト「ミズベリング・プロジェクト」ディレクター。2015年水辺総研を共同設立、環境再生と地域主体形成を目指し、全国の水辺のまちづくりや河川再生を精力的にサポートしている。主なプロジェクトにJR東日本竹芝ウォーターフロントプロジェクト、横浜市帷子川はまっこアユ遡上プロジェクト(多自然川づくり)など。雑誌「ソトコト」、「武蔵野樹林」(角川文化財団)等でランドスケープの編集、執筆を行う。地元の水辺として、東京杉並区の善福寺川を市民力で里川にカエル「善福蛙」で活動を行っている。

はじめに

1章「信仰と風景」
山辺の道     大物主神と祭祀の始まり
対馬       ムスビの島
祓川・高原町  霧島火山と神舞
青梅・奥多摩  オオカミが棲む森と里の風景
富士山      火山と信仰の原点
遠野       民話が生きる風土

2章「江戸・東京の履歴」
隅田川      江戸のハビタット
目黒       水と崖の原風景
港区       異界との接点都市
渋谷       渋谷の地下水脈をゆく
神田川      台地と低地のジオ・ポリティクス

3章「地域に根ざす」
小泉       生命と社会基盤
近江八幡・針江  琵琶湖湖西・湖東編
海津・木之本  琵琶湖湖北編
鳥羽・志摩    海女と真珠養殖家の海
福島市・二本松市 みんなで地域を守る

4章「水辺ランドスケープ」
手賀沼      白樺派たちの手賀沼
渡良瀬遊水地   ウェットランドの住民たち
水元公園・江戸川 江戸の水郷景観の現在。絶滅危惧種とセシウム
東京湾      埋め立ての履歴
多摩川      左岸と右岸の流域史
大阪       水の都のソーシャルデザイン

5章「アーバン・ネイチャー」
東山       生物多様性フラクタル都市・京都
夙川・芦屋    海と山のあいだのモダン都市
狭山丘陵     「緑の島」の地質学的時間とヒトの時間
皇居       東京のグリーン・マトリックス

6章「ジオ・トリップ」
秩父       地球の足跡を巡礼する
三浦半島     半島と海洋国家日本
伊豆大島     波間の椿
狩野川・駿河湾  源流から海底へのグランドツアー
秋葉街道     中央構造線を行く
秋川渓谷・檜原村 尾根に暮らす人たち
伊豆半島南部   早春の南伊豆

7章「自然再生と市民力」
七ヶ浜・蒲生  市民のための防潮堤へむけて
国立市      まちなかの湧水と用水
落合川      市民の川
善福寺川     都市の川を里川に変える夢

あとがき
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