“給食”は食育の柱——知育、徳育、体育、食育のなかでも、特に命の原点を考える教育が食育です。食育基本法でも、子どもたちが豊かな人間性を育み、生きる力を身につけていくためには、なによりも「食」が重要で、教育現場、家庭、生産者、地域を基とした国民運動として、「食」に対する意識を高めていくべきとうたっています。
本書は、環境雑誌『ソトコト』で連載した学校給食の取材記事(2003~2008年)を一冊にまとめた給食読本です。『ソトコト』は、食育基本法、学校給食法の成立(いずれも2005年)以前からいち早く食育に注目し、積極的な取り組みを行なっている全国の幼稚園、小中学校、高等学校の栄養士、生産者や自治体の活動を取材してきました。
21世紀の食の問題を解決する鍵は学校給食にあり! 本書は、北海道から沖縄まで、全国38ケースの給食現場、全国の栄養士の方々の活動とその苦労、おいしい給食を食べながら元気に育つ児童生徒たちの様子や言葉、学校、生産者や地域の協力者たちの試行錯誤の姿をとおして、日々進化していく給食の未来、そして、現在社会が抱えている食問題解決の糸口を見出すことができる、かけがえのない一冊となりました。
・ 栄養よりもおいしさ優先
・ 文化や社会を「食べて」知る
・ 葉付きニンジンと総合学習
・ グルメが生まれる学校給食
・ みんな大好きバイキング給食
・ 岩手食材の給食はお替わり争奪戦
・ ご飯は毎日精米仕たて
・ お箸で食べる一汁二菜
・ お米のテイスティングとおにぎりづくり
・ 選んで食べることから学ぶこと
・ 蕎麦屋がつくる幼稚園の給食
・ 箸づかいの達人が育つ村
・ 野菜好きを育てる保育所
・ 県産食材使用率日本一の給食
・ 長寿の秘訣は学校にあり……他